sunao

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ある庭にて────


「この庭の中で一番美しいのはわたしよね。」
桃色とオレンジ色が混ざったような色の薔薇が今日も咲き誇っている。

「薔薇さんには悪いけど、今はたおやかで凛々しく清々しく咲くわたしが主役よ。」
白いグラジオラスは呟いた。

自分たちには関係ない話と、揺れるえのころ草たち。

でもここのずぼらな庭の主は、ほんとはどの草花も等しくかわいらしく思い、そして等しくさして興味もなかった。

庭の隅で時期を過ぎてドライフラワーのようになった紫陽花が
「あっつー。」
と呟いた。




「優越感、劣等感」

7/13/2024, 1:42:51 PM