灰燼

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失敗なんて許されなかった。常に完璧を求められた。幼少期にそんな生活を強いられればどうなるかなんてわかりきったたことだった。

あの日、俺の中で何かが切れた。俺を守ろうとしてくれた母さんが傷だらけで倒れていたのを目にした瞬間、全てがどうでも良くなった。あの後俺は家を出て、表の世界で生きることを諦めた。

新しい世界は驚くほど穏やかで、自由に生きることができた。子供の頃の俺には思いつかないことも色々できた。何をしても誰にも怒られなかった。

だから俺は、ある計画を立てた。


暗い空に不釣り合いな色が浮かび上がる。全てを燃やし尽くす様な炎に呑まれた古巣を、俺は見下ろしていた。
そして、輝く星空を見上げ、世界の奥底へと深く、深く落ちていった。

6/24/2024, 6:59:59 AM