鏡花 水月

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『消えた星図』

あの日、私は未知の世界を発見した。
世界を揺るがす、とんでもない発見だった。
まるで、世界が滅んでしまうかもしれないほどに。

後世に遺さなければならないと思って、
全てを星図に書き起こした。
完成間際、私が発見した壮大なものは、
発見してはいけないものだということを理解した。

それからの行動はあっという間だった。
誰にも読まれないように、見つからないように、
そっと、燃やした。

形はなくなったけれど、私の心には居続ける。
消えた星図は、私そのものとなったのだから。

10/16/2025, 2:06:50 PM