飛花

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『新幹線の席決めた〜?』
友達からLINEが来た。そういえば修学旅行の新幹線、まだ決めてなかったな。明日までに決めなきゃなんだっけ。
『特に決めとらんで!』
即座に既読がついて返信が来る。
『隣座ってもええ〜??』
ドクンと心臓が跳ねる。特に意識してなかった相手なのに、何故か心拍数が上がるのを感じる。あの人が誘ってくるなんて、いや、でもそうと決まったわけじゃ。
『ええよー』
本心とは反対に、了承してしまう。そんな途中でも独り言が絶えない。
-----え誘ってくるなんて思ってなかった、でも誘ってきたってそういうことかな?でもあの人別にわたしに興味あるわけじゃないよね?でもよく話しかけてはくれるよなぁ、けどあれは別に好きとかじゃなくってただ友達だからだよね?え、そうじゃないとかあるのかな、いやあの人そういう恋愛とかあんましな気がする、けど誘ってく------
『窓側が良いとかある?』
『仰せのままにどーぞ!』
なんだろう、この心の変なのは。別に、好きとかではないのだろうな、わたし好きな人いるし。それにあの人はそういうつもりで仲良くしている訳でもないから、というか一緒に遊んだこともないし。けれど、なんだか恋愛感情ではないはずの何かが、心の中を支配している。
わたし何考えとるんやろ。そう思ってほっぺをパチンと叩いた。





#君からのLINE

9/15/2023, 11:20:50 AM