優しい陽の明かりと頬杖

Open App

距離

ここから月までの
遥か遠くへ 来てしまったわ
あの草餅を 食べてみたいと 思ったので
桜色した 桜の紅を 買っていき
あなたの売っている 草餅に 食紅として
草餅と一対の 桜餅
ついにはほっぺたが落ちるほどの
美味しいバタークリームをすこしいれた
つぶあんのおもちを あなたと月夜を眺め
食べたいと思ったのでした。
月にはいつか 還れますかなどと 他愛もないことを
のべつまくなし 寒空ではすこし
寒すぎるので ヒーターなどをいれて
暖かいお茶と お茶菓子などを用意して
こうして月までの 距離の長さを
偲んでいます。
それでもあなたはどこか
違う国から 来たと思っていましたが
近頃すこし 風体も習慣も 変わってしまっては
時の長さなどを 感じさせ
大人と云うよりも あどけなさをなくしてしまった
心のなかで どこか大事な約束を
忘れてしまったかのような
切なさなどを 感じるのです。
然し今日とていきなりは 自分の人生が
変わったりしませんので
お茶などをお友だちのうさちゃんと
ジャパニーズスピッツのレオナの二人で
草餅や桜餅をもしゃもしゃと
或いはいろんなことを話しながらに
くちゃくちゃと食べながら
時の長さを感じると 月夜の距離が
また来年の名月までは 還れないものかと
話していましたが
先ほど月は 御者が牛車に乗って
うさちゃんのもつ
高麗の珠の枝などを見に来ると云うので
またいつか還れますかと 笑い合い
遠くはない月夜の晩に還れると
願いをかけたのでございます。

12/1/2023, 10:37:32 AM