「沈む夕日」という題目で連想したのは、ゲームソフトのワンシーンだ。
ゲームのタイトルは「ぼくのなつやすみ」。少年が親戚の家で過ごすひと夏、その中で夕日を撮影する外国人写真家と少年の交流も描かれていた。
夕日に魅入られた彼は「夕日が海に入るとき、ジュッと音がする。それを撮りたい」と少年に語りかける。
私はそのセリフに触れたとき、共感できなかった。
そして今もそうらしい。
海に沈む夕日を知らないわけでもないし、言わんとしていることも理解できないわけでもない。
ただ、沈む夕日には静寂が相応しい、と自分勝手に思う。
普段よりも大きく燃え上がってみえる太陽がゆらゆらと地平線や水平線あるいは山やビルの稜線を瞬き光るように縁取ってはそっと消えていく。
そのとき私の中からほんのひと時音が消える気がするのである。
4/8/2024, 9:09:08 AM