Mey

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毎夜19時ジャスト。
新しいお題がアプリに提示される。
文字を書きたい私たちのために管理人が作った366のお題のどれかがランダムに。
スマホの白い画面に浮かぶお題は、細く小さな文字の数文字から10数文字の羅列。


アプリ愛好者の多くは、きっと文字を綴るのが好きなひと。
誰も、管理人のことを知らない。
管理人の登録名はわかる。だけどそれが本名かどうかは誰にもわからない。
住所も年齢も職業も知らない。実は学生なのかもしれないけれど、それを確認する術はない。


私はアプリを利用して文字を綴る「誰か」。
ペンネームはもちろん本名ではないし、住所も年齢も非公開。
だけどその素性を知らない私のことをアプリ愛好者の「誰か」が発見してくれて、私の書く創作やエッセイ、詩のどれかに「もっと読みたい」と小さな水色のハートを贈ってくれる。

私の知らない「誰か」の水色のハートが、私の心を高揚させる。

私は感謝の気持ちで受け取って、
もっと良くなる箇所があるんじゃないかと加筆修正を繰り返す。


19時でお題は切り替わる。
間に合いそうになければ、「またいつか書きたいです」。
お題を残すための文字の羅列に、ハートを贈ってくれる誰かがいる。
読みたいと思ってくれる人がいるんだなあ、と心がふわりと軽くなる。



文字を綴るのが好きな私は、綴られた文章を読むことも好き。
私はお気に入り登録をした「誰か」の作品を楽しみにしている。
ペンネームは知っているけれど、住所も年齢も職業も学生なのかも知らないひとたち。
なんとなく若そうだな、学生さんだろうなと予測できるときもあるけれど、真実はわからない。

もっと読みたいと思ったら、「もっと読みたいです」ボタンに触れる。
心の琴線に触れる創作に出逢ったとき。
私もこんなお話を書きたかったとテーマと物語の合致に羨ましくなったとき。
描写力に唸ったとき。
シリーズ物で続きを読みたいと思ったとき。
作品数が少ない「誰か」に創作を続けて欲しいと応援したくなったとき。


「みんなの作品」カテゴリも、知らない「誰か」と出逢う大切な場所。
そこは一期一会の世界。
「次の作品」ボタンに触れてしまったら、その作品へ後戻りはできない。
「お気に入り登録」をしなければ、心が動いた文字を綴った「誰か」ともう二度と出会えないかもしれないのだ。


『「私も創作したい」と思ったら、それは良い作品に出会ったとき』
そんな文章に最近出会った。
知らない誰かの作品が、私の創作意欲を駆り立てています。



*これまで私の綴る文字を読んでくださった皆さんへ。
来月、書く習慣アプリを始めて1年になります。
これからもよろしくお願いします。


*そして「お気に入り登録」「もっと読みたいです」ボタンをそっと押してくださった皆さんへ。

スマホの向こう側のあなたの知らない世界で、励まされて嬉しがって心が小躍りしています。
心から感謝しています。




「誰か」

10/4/2025, 5:29:05 AM