いぐあな

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300字小説

ぼっちが二人

 彼女とは冒険者ギルドの依頼のクエストで出会った。数人でチームを組んで解決する依頼だったが、俺と彼女だけ浮いていて、だから気が合ったのかもしれない。
『これからは二人ぼっちだね』
 と共に旅をするようになった。

 そして、ある依頼のクエストで結果として俺と彼女は小さな田舎村を救った救世主となり
『冒険者なんて、そうずっとやっていける仕事じゃない』
 と村長に勧められ、この村の住民となった。小さな家を貰い、二人で畑を耕し、山羊を飼い、時々頼まれて魔物を追い払ったりして。

 春の空に畑に畝を作り、種を撒く。妻となった彼女がお昼ご飯を持ってくる。
「……これからは三人だね」
 お腹を撫でて微笑む彼女を俺はしっかりと抱きしめた。

お題「二人ぼっち」

3/21/2024, 11:37:16 AM