しがないjc

Open App

あの夢のつづきを


あの長い夢。
夢だったのかと言われたら、夢じゃない気もする。
それすらも分からなくなるほど長い長い夢。
寒い冬、君が好きだと言っていた雪が降っていた。
最後の一ヶ月、君は病室から眺める事しかできなかったね。
部屋は暖房で暑いくらい暖かかったのに、
君は「寒いね」 。
そう泣きながら言ったけど、何を思って泣いてたの?
最後に何がしたかったの?
やり残したことはあった?
聞いとけばよかった。
でも、それを言ってしまえば、
本当に最後のようで、受け入れたくなかった。
だけど、1番受け入れたくないのは君だったね。
別れの日、走って、君の声を聞きたくて、病室まで行ったけど、君は最後に涙を流して笑顔で眠ったね。
体は冷たくなっていった。
あの大好きな雪と同じになれたかな。
こっちは夏、すごく暑いよ。
でもね、雪が溶けても、どんなに暑い夏が来ようが、
僕の中の季節はずっと冬だよ。

1/12/2025, 4:31:58 PM