『夢見る心』
夢見る心は諦めてくれなかった。
私は貴方に、少しだけ似ているらしい。
皆にそう言われて、私は貴方を知った。
皆が口を揃えて貴方を褒め称える。
貴方の悪口なんて聞いたことがなかった。
皆が貴方を好きで、愛していた。
そんな貴方に私は憧れ、いつしか焦がれた。
しかし巡り合わせが悪くて、私は貴方に会えない。
だからきっと貴方は私なんか知りもしない。
それは仕方のないこと。
それでも私は貴方に会えない分、只管に想いが募った。
会いたいのに会えない。
それはもう仕方のないことだと私は思っていたのに、
私の中の夢見る心だけは諦めてくれなかった。
「……やっと会えた」
そして桜、貴方に会うために春に咲く秋桜(わたし)ができたの。
4/16/2024, 1:25:37 PM