猫とモカチーノ

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小学生の頃の俺は、みんなと違う自分に優越感を感じていた。

友達とやんちゃをして先生を困らせたり、みんなのやらないようなことをやって目立ったり。

「健太くんたち、またやってるよ〜」
「授業潰れてラッキー!」
「先生めっちゃ怒ってるんだけど笑」

俺たちがふざけるとクラスのみんなは笑っていたし、それで余計に調子に乗った。

俺たちには逆らっちゃいけないみたいな暗黙のルールもできてて、毎日が楽しくて、全てが自分のもののように思えた。

でも、中学に上がってからは、周りの目線が変わった。

小学校と同じようにふざけてみたら、担任に無茶苦茶怒られた。

別室に連れて行かれて「もう小学生じゃないんだから、しっかりしなさい」と言われた。

「お前、いつまでそんなことしてんの?」

最初は一緒にふざけてた友達も、すぐに大人しくなって、変わらずふざけている俺だけが浮いていた。

小学生の時は笑っていたみんなも、今じゃ冷たい視線を向けるだけだ。

「このままじゃまずいな〜」と思って、真面目に勉強を始めた。でも何もわからない。

小学校の時もテストは散々だったけれど、今はそもそも授業についていけなかった。

友達はなんだかんだ勉強はできるし、俺だけがダメだった。

ちょっと前まではみんなと違うことに優越感を感じていたのに、今はみんなと違うことに劣等感を覚えている。

大人になるって、大変なんだな。


お題『優越感、劣等感』

7/14/2024, 6:43:16 AM