平穏な日常
「お前、進路調査何書いた?」
「とりあえず近くの大学。やりたいことねーんだよなー。」
“お前”こと俺・西原ユウキは、この春高校2年生になったばかりの男子高校生である。
いつもは部活に明け暮れている時間だが、入学式である今日は休みとなっていたため、親友である東野ハルトと帰路を並んで歩いていた。
「ハルトは?」
「まだ迷ってる。親が大学行けってうるせーんだけど、俺は就職したいし。」
「まじ? ……そーなん。」
「おー。」
就職したい、ということは、もうハルトの将来像はハルトの中にある、ということなのだろうか。
自分の将来なんて、高校に合格してからろくに考えたことがない。
進路調査は適当にやり過ごしてきた。
すぐそばに居ると思っていた俺とハルトの間には、気付かないうちに大きな距離ができていたみたいだ。
希望の就職先や業種はあるのかとか、聞いてみたかったけど聞きたくなくて、結局聞けなかった。
3/12/2026, 6:53:10 AM