君さえいれば、あとは何もいらない。
そういって、うずくまって泣きじゃくる男。
イケメンでもない、体格も大して良くない。
ことごとくタイプじゃないこの男に、俺はある種の興奮を覚えた。
男のパサついた髪を撫でる。
びくりと肩を震わせて上げられた顔は、やっぱり俺に何の感情も与えない。しかし興奮だけは異常なほどに駆り立てられる。
コイツは俺のどこに惚れたのだろうか。
顔?体?それとも、上辺だけの優しさ?
まあそんなことはどうでもいい。
じゃあ付き合おっか、なんて、また上辺だけ優しさをのせて思ってもいない言葉を放つ。
この日俺は、この男を、一生俺だけに依存するように「しつける」ことを決めた。
【何もいらない】
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あれ……闇深になっちゃった…そんなつもりなかったのに…
4/21/2024, 2:45:40 AM