ふわふわと羽根が降り落ちるように地面に落ちては音もなく消えていく。降るというよりは舞うと言ったほうがいいだろうか。どんよりとした曇り空とは正反対の真白さが好きだった。雨とは違い雪が降るとなんだか嬉しく思って、寒いというのに外へ繰り出しては曇り空を見上げて、微かな冷たさが当たる頬を緩めた。
あまり雪が降るようなところではないから嬉しい気持ちになるが、住む場所が違えば憎たらしい白色となるのだから不思議なものだ。テレビに映る一面真っ白で埋まる世界は同じ国とは言え非日常の別世界に思える。
子供の頃はもう雪が降れば嬉しくてはしゃぎ倒していたけれど、大人になってはこたつに入ってアイスを食べながらしんしんと降る雪を眺めるしかない。この光景もまた風情がある、だなんて考えてはうつらうつらと微睡むのだ。
1/7/2024, 11:19:50 AM