華文

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声が聞こえる

自分の本当の声が聞こえた気がした

その子は、
いつからか目立たないように
ここにいることがわからないようにして
身を潜めて生活していた

周りはその子の声を聞こうとしなかった
周りは聞いてもらうことだけを評価した
周りはその子の声を聞くことを拒んだ

だから私もその子の声を無視した
そうしているうちに私もその子の声が聞こえなくなっていた
その子の声に一度も耳を傾けないまま

だからその子は声を出すことを辞めた

気づけばその子は主張のない意志のない考えもない子と勝手に評価されていた

もう一度、私はその子の声を聞きたがった
今まで無視し続けた私に今更声を上げろなんて
なかなか簡単じゃない

だけど私がその子と向き合う形を示してから
その子は少しずつだけど
小さな声で、そっと話をし始めたんだ

少しずつ、少しずつ
私もその子の声が聞こえるようになった

私の中の本当の音

9/22/2024, 2:41:00 PM