ぽんこっぅ

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「はぁはぁはぁ、もう少しで頂上だ」

雲を突き抜けた先の山頂は目の前にそびえ、太陽に照らされながらも標高のせいでひんやりとした空気に包まれていた。

『なぁ北風よ、この者の服を脱がした方が勝ちというのはどうかな?』
『ああ太陽よ、臨むところだ』

「ん?幻聴か?相当疲れが溜まっているんだな、ハンガーノックにでもなったら大変だ。もうすぐ山頂だがここらで行動食を食っておくか」

リュックを下ろし、行動食を取り出す。
上着の首元を少し緩め眼下に広がる景色を見ながら食べる。

『なぁ太陽よ、まだ何もしていないのに少し脱いだぞ、これはどうするか?』
『ああ北風よ、これでは勝負にならない。他の者を探そう』

「また幻聴が聞こえる。酸素不足かもしれないな。酸素缶はどこにしまったっけ?」

そしてしばらく休憩をとり再び山頂へ向けて登りだした。
(君が見た景色)

北風と太陽のオマージュ、登山者君が見た景色は相当綺麗なのだろう。

8/14/2025, 12:14:33 PM