美しさとは、何なのだろう。
私は、よく源氏物語の源氏の君のようだと謂われる。
彼のように、何事にも優れた才覚などは無い。
しかし、彼のように、どんな人にも美しいと言われてきた。
私を好む人は、皆口々に言う。
「あなたの美しさが何よりも好き。」だと。
私の中身を見ず、私の美しさに引き寄せられた人ばかりだ。
私の中身など、彼らの前には存在しないも同然なのだ。
だから、私が彼女らに何をしようと、その容姿の美しさで許されるのだろう。
私は、容姿は優れているだけで実力など無い。
しかし、優遇されて流されて此処まで来てしまった。
その道は、己の実力とは裏腹に自惚れてしまう。
その先は、己の破滅のみ。
どうすれば、抜け出せるのだろう。
どうすれば、人から見てもらえるのだろう。
「容姿に惑わされる人間から離れなさい。
その人は、あなたを見ているのでは無く、
あなたの美しさに魅了されているだけなのだ。」
兄様、私はどうしたら、身内以外の人を信じられるのでしょう。
12/11/2024, 6:47:53 AM