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お題:揺れる木陰

小さな頃からずっと、家を出て数分の交差点の奥に木がある。
今になっても表情を変えないそれは、夕方に私に影を落とすので、遠慮なく背中を預ける。世界が遮断されて、私はどれだけアニメの主人公ぶっても許されるような気がして、ふらふらと自身に陶酔さえする。
青色が赤色に染まって、私は未練なく身を乗り出すと酔いが覚めて、思い返して恥を知る。
熱くほてるのは、陽のせいだということに、毎回している気がする。

7/17/2025, 11:24:20 AM