たぬたぬちゃがま

Open App

特別な日、君は何する?

「お寿司!」
「おすし!」
2人の幼い兄弟はイェーイとハイタッチする。
もう食べに行くことは決定しているようだ。
「何食べるの?」
「サーモン!」
「たまご!」
即答。食べるものも決まっているらしく、毎回ルーティーンのように選んでいる。
「回るお寿司とはいえ、高いんだよなぁ……。」
お財布の中身を数え、はぁ、とため息をつく。自分は100円寿司の中から選ばなければ。
財布をしまおうとした時、渋沢栄一が印刷されたお札が財布に舞い込んできた。
「ひぇ!?」
「俺もいく。」
夫がいたずらが成功したかのように笑いかけてくる。今日は残業で帰れないと言っていたのに。
「パパ!今日お仕事ないの!?」
「急いで終わらせたぞ〜!連休だからな!」
嬉しそうな兄を抱き上げ、たかいたかーいと笑いかける。弟も羨ましそうに次はぼく!とズボンを引っ張っている。
「お仕事、大丈夫なんですか?」
「連休くらい、家族で過ごしたいからな。」
答えになっていない答えとともに、額にキスをする。どうにも夫のこの行動に慣れなくて、いまだに顔が赤くなってしまう。
「ママ!早くいこー!」
「まま!」
可愛い我が子たちに呼ばれるがまま、その日の夕食は家族みんなでお寿司屋さんに決定した。
子供たちが1番食べたのは、フライドポテトだった。


【special day】

7/19/2025, 8:04:41 AM