小絲さなこ

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「幼馴染からいつか」


「今年も、もう終わりかぁ……」

年が明ければ、あっという間に卒業。

「ずっとこのままでいられたらいいのに」

受験は早く終わってほしいけど、春になってほしくない。
ブックスタンドに立てている東京の大学のパンフレットを取り出し、パラパラと捲る。

「来年の今頃どうなってるだろう……」

親に浪人はダメだと言われているから、どこかの大学には通っているのだろうけど。

「どの志望校選んでも、もう同じ学校には通えないんだよなぁ……」

物心つく前からの、友達──幼馴染から彼氏彼女の関係になって一年ちょっと。
彼は地元で就職が決まっている。
私の希望する学科は県内の大学にはないので遠距離恋愛は確定だ。

ずっと、ずっと一緒にいられると信じていたのに。


「昨日のアレ、どう考えてもプロポーズにしか聞こえなかったんだけど。わかってるのかなぁ」


『四年間、お前が東京行ってる間に金貯めて、指輪買うから!』

うん、どう考えてもプロポーズ……いやプロポーズの予告?

「幼馴染が婚約者、か……」



────変わらないものはない

12/27/2024, 8:26:54 AM