梦憂

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冷たい空気が鼻を刺激する季節になった。川を眺めることが出来る丘には大きな木がある。学校からの帰り道によく見ていた。その大きな木を夕日に照らされる頃に2人で眺めていた者は結ばれるという噂がある。14歳の頃に幼馴染の彼と大きな木をよく眺めていた。あれから6年経った今、彼は結婚した。成人して同窓会を楽しみに待っていたけれど、私の恋は叶わなかった。「なんだ全然だめじゃん笑。」同窓会の帰り道涙で視界がぼやけながら歩いていると大きな木が見えた。もうとっくに枯れ果てていた。風が私の身体を冷たく突き放した。夕日がキラキラ輝いていた。風はどんどん強くなり枯葉が宙に舞った。またこの木を一緒に見たいと思える人と出逢いたい。心からそう思えた。

2/19/2024, 10:41:20 AM