空は飛ぶーーとまでは行かないが……行き来するものである。というのが、私の認識である。
例によって高く飛翔し、ビルの屋上から街を眺める。
眼下の夜景。
まだ賑わいがある駅前を行く人の往来。
変わらず続く、人の営み。
どこかで君も、同じように時を歩んでいるのだろう。
しかしそれは仮初に過ぎないことを私は知っている。
この場所ももうすぐ、終わりの場所へと変わる。
運命づけられた。または人為的な滅亡によって。
どこにも続かず、終わる景色。
しかし実の所、終わらずまわって、また始まる場所。
景色を眺める。
眺める。
眺める。
廻りくる何度目かの陽光に目を細める。
巡る。
廻る。
繰り返し。やり直し。
違和。困惑。
気付き。
そしていつしか、宙に一つの虹が浮かんだ。
9/19/2024, 6:06:37 AM