ミキミヤ

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大晦日。時刻は21時。星空が綺麗な夜だった。

「じゃ、お先に失礼します。良いお年を」
「はーい、お疲れさま!良いお年をー」

バイト先の社員さんに挨拶して、店を出る。
あの人も俺も、明日もシフト入っているから、1日と待たず新年の挨拶をすることになるのに、『良いお年を』って言葉を交わしたのが、少し不思議な気持ちだった。
『良いお年』ってなんだろなって、何となく考えながら歩く。今年も1年バイト三昧、いっぱい稼いでいっぱい遊んだ。勉学の方はちょっと微妙だったけれども、留年はせずに済みそうな程度にはやれた。しんどいときもあったけど、何とか1年、やりきった感がある。家路を辿る足取りは軽やかだった。
こういう清々しい気持ちで迎えられる新年は『良いお年』ってことになるのかな。そうだとしたら、もう俺は『良いお年』確約されてるようなもんじゃね?
考えてたら、楽しい気持ちになってきて、自然と鼻歌を歌っていた。

1/1/2025, 4:12:11 AM