たーくん。

Open App

すぐ後ろに迫ってきている濃い霧。
前には、光が見える。
あの光へ向かって走れば、全てが上手くいく。
だが、濃い霧がだんだん迫ってきて、背中に霧が触れる。
頑張ってここまで来たんだ、霧に包まれるもんか。
だって、ようやく自分の進む道を見つけたのだから……。
霧は背中から肩にかかる。
「追いつかれてたまるか!」
足が折れようと壊れようと構わない、必死に、死ぬ気で、光へ向かって走った。
肩にかかっていた霧は離れていく。
そして、手を伸ばし、光を……掴んだ。
光は手の中で光り輝き、迫ってきていた霧を吹き飛ばし、明るい世界へと変わった。
これが、自分が選んだ道……。
落とさないよう、どこかへ行ってしまわないよう、掴んだ光をしっかり握り締めた。

10/18/2025, 11:14:11 PM