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私の両親は私を捨てた。
孤児院の前におくるみに包まれた私が置いてあったらしい。
その孤児院も酷い所だった。
孤児院ではご飯もロクに与えられず、お風呂にも入れない。
服も着古したボロボロの服。
いや服と言えるものではないただの布だ。
皆、皮膚病に掛かり、かゆいかゆいと言いながら掻きむしる。
だから、肌はズタズタ、そこから膿が滲み出ている。
その肌に職員の振るう鞭が当たる。
とても痛々しい。
夜は布団と言えない布を一枚渡されるが薄く穴が空いているから冷気が入ってくる。
だから皆で固まって暖を取り合った。
他の子供の体温を感じながらまた明日になれば鞭で打たれ働かされるのだと考えると悲しくて涙が出た。
誰か私達を見つけ出してくれないだろうか。
私達を助け出してくれないだろうか。
ここではない何処かに連れて行って…
そんな現実味の無い事を考えながら眠りについた。

6/28/2024, 1:24:15 AM