ディズニーの『ピノキオ』の主題歌は「星に願いを」であった。
輝く星に 心の夢を
祈れば いつか叶うでしょう
きらきら星は 不思議な力
あなたの夢を 満たすでしょう 🎶
星には不思議な力がありそうな気がするのだろう。根拠は何もないけど、人々は星に祈りを捧げてきた。
永六輔の「見上げてごらん夜の星を」の一節だと
「ボクらのように 名もない星が
ささやかな幸せを 祈っている」
となる。これだと星は神のような祈る対象ではなく、むしろ人の、祈りの象徴となっている。
人は死ぬと星になると昔から言われて来た。そんなバカな話はないのだが、科学ではなく、
親しい人が亡くなった悲しみを、せめて夜空の星になって自分らを見守ってくれているのだと思えば、慰めになるから、何となくそう信じられて来たのだろう。
中島みゆきの「地上の星」では、
草原のペガサス 街角のヴィーナス
みんな何処へ行った
見守られることもなく
地上にある星を誰も覚えていない
としており、生きている人こそが正に星なのだと歌っているのである。
科学的な星の話は置いておく。
星とは人そのものを霊的な姿に変えたもの、なのかも知れない。それは、幽霊よりも好ましいイメージ。
神や天使には届かないが、それらの系譜の下の存在なのだろうか?
夜空に流れ星が降る時、天界の扉が開いて神が地上を覗いているから、その時だけは願い事を聞き届けてくれるという。
でも、神は人の願いを聞いてくれる存在ではないだろう。
せめて星は、ただきらきらと、
静かに輝いて、見守ってくれる。
4/26/2024, 1:45:35 AM