〈お題:巡り会えたら〉
「こんなにも求めているのに!」
私の叫びは枕の中で木霊する。
夢にまで見た理想。
私が一番求めている物。
きっと世界中探しても見つからないだろう。
それは、希望、品性のある味わい深い希望。
濃厚で甘美な希望。
その希望を堪能したらきっと、私は満たされるに違いない。私は希望を求めている。
どんな希望なら、私の願望を満たすのか。
一生を掛けても味わい尽くせない膨大な希望。
きっと、そんなものは見つからないのだろう。
けれど、私は知っている。
当たり前の日々を過ごしていれば、必ずやってくる小さな、とてもか弱い希望を知っている。
その頼りない希望が、私の支えになっている。
それを味おうとすれば、どうなるか。
味わい尽くしてしまったならば、私は飢えて死んでしまうでしょう。
当たり前の日々に感謝しなければなりません。
私は飢えて死ぬのはごめんなのです。
当たり前に訪れるとても小さな希望を、未来に目を向ける為の灯火として。
それで、またいつか巡り会えたなら。
「早く会いたいなぁー」
10/3/2024, 2:17:46 PM