柳双雨

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『もう一つの物語』

あの時あの道に進もうと決断していたら。

あそこで伝えようと勇気を出していたら。

あの約束をずっと守っていたら。

あの時のプレゼントをちゃんと選べていたら。

あの時言う通りにしていたら。

昨日夜更かしをしなかったら。

今日傘を持ってきていたら。

さっきトイレに行っておけば。

−−−

長編小説か掌編小説か、
今日もまた「もう一つの物語」が小さく増えていく。
決して読むことの出来ないこの物語を、
私たちは頭の片隅に積み上げて歩いていく。

10/29/2024, 1:25:48 PM