手紙の行方
卒業して働きながら資格を取って何年も働いていた。その後、彼と同棲して暮らしていたから淋しくはなかった。
田舎には再婚した義理の父の家で暮らす母が居た。
自分の家は無いもの、母親ももう他人、そんな気がして何年も帰らなかった。
時々手紙が来た。
母親からさみしいと。
私はあまり人の感情がわからない。
さらっと読んでどっかにほおったまま、本気で考えることはなかった。
今、あの時の母親の年を超えてしまったけど、生きる途中の淋しさ悲しさをわかってあげられていたら…
自分の淋しさは誰にもわかってもらえないと思っていたから、人の事もわかるはずがないと、親の気持ちもわかろうとしなかった。
あの手紙は何処へいっただろうか?
2/19/2025, 6:23:40 AM