高く高く (執筆途中)
どうして、こんなところで燻ってんだ。
私は胸より出た腹と、尻の肉、二の腕の重厚感を感じる自分の体を見ながらため息をついた。
私はまだ24歳なのに。
後ろから見たら中年、いや、前から見ても中年だ。
日頃の怠惰な精神が贅肉となって現実化しているのには頭を抱える。が、今の私にはこれを脱却するほどの日常もない。ストレスもなければ、アドレナリンもない。
久々のイベントといえば、たった今姉の結婚の顔合わせが終わった。
姉の結婚相手は由緒正しき良家の息子らしかった。
妹として姉の恥にならぬようにと、ドレスを新調しいざ鏡の前に立ったものの、付け焼き刃の取り繕いは決して許さないといわれているような肉肉しい自身の体に打ちひしがれた。新品のドレスが可哀想だとさえ思った。
いざ会場にいけば、学歴の話やら、御家柄の話やらと息が詰まるようなマウント合戦が続いた。その後同い年の新郎の妹が今度医者と結婚しますと発表したことで、私の心は白旗をあげた。首とられたり。そして、顔合わせの時に勝つか負けるかなんて考えてる自分に自己嫌悪した。劣等感は人一倍だった。
三時間にわたる顔合わせが終わって解散した後、
私は駅の化粧室の鏡の前にたった。
自分の体を見て、ため息をつく。
そして、冒頭の一言が思わず出た。
「どうして、こんなとこで燻ってんだ」
10/14/2024, 2:53:00 PM