年末年始、私は普通に仕事である。
早朝5時半、出勤のために車のエンジンをかける。
まだあたりは暗く、年始ともなると車通りも極端に少ない。心なしか空気が綺麗に感じる。
本来であれば、早番に回されることもないのだが、今の期間は時短営業でしかも従業員の人手も少ないため、これから仕事をぶっ通しで12時間程してくる。
(……さむっ)
車が温まるまで、私は体を縮める。早朝って、こんなに寒いんだっけ、久々すぎて忘れていた。
そんな時、山あいからうっすらと薄紅色の光が見えた。日の出の時間らしい。早番じゃないと拝めない光景である。
初日の出、ではないものの、透き通った空気にキラキラと輝いて見える。年始だからか神々しく感じられた。
綺麗だな、とは感じるものの、陽の光は夏の太陽のように温かさは与えてはくれない。でも--心は温かく感じた。
はぁ、と息を吐くと車内のはずなのに白くなる。
「さて、そろそろ行きますか……!」
日の出に元気をもらい、私はハンドルを握った。
【日の出】
1/3/2023, 1:39:36 PM