yuhi

Open App

昨日机の中に置き忘れた宿題をやろうと思って、いつもより早く家を出た。

教室のドアを開けると、そこには話したことのないクラスメイトがいて、わたしは声をかけた。

「おはよう。もしかして宿題忘れた?」

「忘れてないよ」

と彼女は真顔で言った。

「そうなんだ、早いんだね」

彼女は「あの……」と声を出して、それから「友だちになってくれない?」と続けた。

わたしは「そうだなあ」と空に目をやる。彼女に目をやると不安そうにしているのがわかる。

「明日もこの時間に会えたら」

友だちになるなら、少しずつ近づきたい。そう続けると、彼女は大きく何度も頷いた。

「明日も、明後日も、その次も、ずっとずっと来るから!」

もう友だちだな。とわたしは思っているが、なんとなく言わないでおいた。

9/30/2022, 10:50:09 PM