手放した時間(オリジナル)
1日が24時間である事は変えられない。
24時間でできる事は限られている。
無駄を廃し、効率よく生きていかなければ。
ご飯を作る時間がもったいないので出来合いを買う。
待ち時間が無駄なので外食や遊園地には行かない。
CMが無駄なのでテレビは生で見ない。
テンポの遅いドラマやアニメは早送り。
通勤時間がもったいないので仕事は在宅。
物を買うのが面倒なので、必要なものはランキング検索してネット買い。
永遠を誓うわけでもない一時的な恋人や友達との遊びに無駄な時間を費やすのがもったいなく、誘いを断り疎遠に。
結果、余白なく変わり映えのしない生活に疲弊した。
感情が死んで、己の好悪がわからなくなった。
世界が灰色に見えた。
自分も灰色に見えた。
無駄と切り捨ててきたものは、本当に無駄だったのだろうか。
誰かが時間をかけて作ってくれた物を消費しているだけの自分は、果たして「生きている」以外の何をしているのだろう。
手放してしまった無駄と思われる時間の中にこそ、人を人たらしめている要素があったのかもしれない。
今更ながらそれに気づいた。
とはいえ、無駄だと思う心はなかなかに矯正できず。
「時間」を上手に使うのは難しい。
11/23/2025, 2:31:17 PM