街へ向かう道すがら、ふと気になって駅に向かう住宅街にぽつりとある古びたアンティークショップに入ってみた。
向かう先は決まっていたが休日の買い物で大した用事でもなく、通勤時に何度か店前を通り気にはなっていたが店が開いている時間に通りがかった事は無かったので好奇心に吸い寄せられたのだろう。
ちりんと軽快な音と共に店内へ入ると先程まで歩いていた日本らしい町並みとはうってかわりまるで異世界にでも迷い混んだようなアンティークの西洋家具や雑貨、埃っぽいがどこか懐かしさを感じる匂い、奥のカウンターにはこのお店で一番古いのではないだろうかと思うほどの老店主がいた。
店主はこちらに気が付くと「いらっしゃい、ゆっくり見ていってね」とにこやに告げるとまた何か作業に戻った。
ぺこりと会釈で返し作業に戻った老店主から乱雑だかどこか整理された不思議な店内にふたたび意識を向けた
視線を吊るされた椅子や蓄音機やらタイプライター中々見る事のない物に好奇心を向けていると、丸いテーブルにごちゃごちゃと置かれた小さなガラス細工達に視線が吸い込まれた、白鳥や小鳥などを模した物から馬や猫の形のものなど様々置かれていた。
しかし1つだけ明らかに違和感を感じる物があった、意識せずに見れば犬の見えるのだが良く見ると馬なのである、犬なのかな?と思いながら見れば犬に、馬にも見えるなと思えば馬にも見える、なんとも不思議な細工である。
そんなくだらない事を考えていると足に紐付けされた値札に気が付く、800円と手書きで書かれた値札を見るとこの不思議なガラス細工を手に取って老店主の元へ向かっていた「気に入って頂けましたか?ありがとうございます」となんとも柔らかな物腰にこちらも「あまりにキレイなのでつい」と微笑んでいた
支払いを済ませ店を後にすると、これから買い物に向かう事を思い出し余計な荷物が増えた事を少し後悔した。
それから数日後にまたアンティークショップの前を通りがかったが店は相変わらず閉まっていた。
1/28/2026, 12:06:50 PM