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 子供の頃は、何を捨てずとも無敵になれた。

 人目を気にするよりも自分を偽る方が苦痛だった。
 人を喜ばせる言葉よりも自分に正直な言葉を話せた。
 未知は恐怖ではなく高揚感を煽り好奇心を躍らせた。
 眼前の興味の赴くままに走り出せた。
 他人を疑うより信用する方が簡単だった。
 当たり前のように大声で笑い合い時には喧嘩も出来た。

 子供の頃は、何を捨てずとも無敵になれた。
 積み上がった時間は、成長という名の重責-弱さ-をくれた。

6/24/2023, 4:58:09 AM