居間で寝転びながらタブレットを見ている小学生一年の妹。
何を見ているのか後ろから覗くと、タブレットの画面にはウェディングドレスが映っていた。
結婚に憧れるには早すぎるぞ、妹よ。
妹から離れ、ソファーに座り、テーブルの上に置いてあった炭酸ジュースを飲む。
喉に通る炭酸のシュワシュワが気持ちいい。
「ねぇ、お兄ちゃん」
「ん?」
「私が大人になって、まだお兄ちゃんが結婚してなかったら、私が結婚してあげるねっ!」
「げっほ!げっほ!ア“ァ“ァ“」
妹が変なことを言うから、咳と同時にゲップが出てしまった。
「こんな兄と結婚したいだなんて、お前は変わり者だな」
「だって、お兄ちゃん彼女いなさそうだし可哀想だもんっ」
「……ははは」
「十年後に期待しててねっ!」
キラキラな笑顔で妹は言った。
十年後か……。
それまでに、妹のためにも、頑張って彼女を作ろうと心の中で誓った。
4/8/2025, 11:23:53 PM