固くなった頬を撫でる
陶器のような肌は血に濡れて
もはや腐敗を待つ抜け殻と成り果てた
まだ美しい顔を見つめて
冷たい唇に別れを告げる
澄んだ冬空の瞳はもう二度と、私に愛を囁かない
無垢な雛の鳴き声が聞こえる
私の番を代償に救われた小さな命
何も知らず、怯えて喚き散らかしている
恨んではならない
憎んでもいけない
羽ばたく時を待つ未熟な翼は、ひとえに自由なのだから
分かっている、分かっているとも
矛先を失った哀れな嘴が、作り物めいて嗤っている
馬鹿な願いを抱いたものだ
罪の精算が穏やかであるものか
これは私に向けて放たれた裁きの一矢
無二の愛を穿ってなお止まらぬ天罰
それでも、あと一日、あと一分
共に笑えると信じていたんだ
あなたの慈愛を禁じなければ
私の我儘が赦されなければ
あと少し、一雫の陽光を分け合って生きられただろうか
あなたは咎めない
幼稚な囀りを受け止めて、羽を抜かれても平気な顔して
いつだって愛をもって笑っていた
酸いも甘いも匙加減
ならば些細な言い合いなど流浪の風に過ぎなかったのに
凪が私を閉じ込める
あなただけがいない世界
翅を捥がれた羽虫のように地を這って生きていく
(勝ち負けなんて)
5/31/2025, 12:45:41 PM