sairo

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気づけば、誰もいない砂浜で一人、空を見上げていた。
周囲には誰もいない。一人きりだ。
辺りを探索しなくとも、この狭い島には他の人はいないことを理解していた。
目を閉じる。寄せては返す波の音を聞きながら、記憶を手繰り寄せる。
無邪気なあの子の笑顔に、頭が痛くなるのを感じた。

――働き過ぎは体に良くないんだって!

テレビで得たばかりの知識を、得意げに披露していた彼女。次の瞬間に訪れた、抗えない微睡。
ここは夢の中なのだろう。無人島にいる夢。

彼女のズレた優しさに、眩暈がしそうだった。

10/25/2025, 9:51:44 AM