ありんこ

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孤独だった

周りがみんな敵に見えて

怖かった

だから敵が来ないように

高いたかい壁を四方に作って

本当の孤独になった

ある日そこからやはり出ようと思い立ったけれど

自分が作った頑丈すぎる壁が自分で壊せなかった

わたしは毎日必死で壁を壊した

びくともしない

これを越えるしかないんだ…

そこから毎日必死で壁をよじ登った

くる日も来る日ものぼって

何年もかけて壁の上にたどり着いた

つぎは、登った分だけ降りなきゃいけない

怖かった

疲れた

悲しくなった

でも、壁の上に登ったら

下からたくさんの声が聞こえてきた

待ってたよおかえり!
何してるの早く降りておいで!
ほらこのロープ使っていいよ!

あたたかかった。

敵じゃなかったんだ…

【遠い日の記憶】

7/17/2023, 12:58:56 PM