水無月想空

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【脱色不可】


 「ねぇ、本当にいいの?」


「うん、覚悟はしてきたつもり。」


 「わかった、じゃあやるよ……?」


「うん、お願いします…。」


2人の少女がそんな会話を小さな声で繰り広げる。

全体が純白色のとあるベッドルーム。


その部屋の真ん中に置かれている天蓋付きのベッドもまた真っ白で。


全てが真っ白な2人だけの世界に残るのは彼女たちの存在証明となる影。



でも、その影ですらとても儚げなものだから


時折彼女たちは消えかけそうな声を漏らす。







時の流れを忘れてしまいかけた頃、さっきまで静かだった先程の少女たちの「クスクス」と笑う声が聞こえてくる。



そしてまた会話が聞こえてくる。



「ねぇ、ほんとに良かったの?もう、戻れないよ?」


「うん、これでいいの。ーあなたとのお揃いなら、一緒ならなんでも嬉しいの。」


「私もよ、あなたとお揃いで嬉しい。」


「これからも一緒ね。」

「うん。もう戻れないけれど、一緒。」

5/31/2024, 12:52:36 PM