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お題:澄んだ瞳

 「君の瞳は宇宙みたいだね。」
部活の帰り道突然、宇宙が好きな親友に顔を覗き込まれたと思ったら、いきなりよくわからない発言。
親友は不思議な性格をして、たまに突拍子もないことを言い出すことが度々ある。

「いきなりどうしたの?」
「うーん何かきみの瞳がブラックホールみたいなだなって」
ブラックホールはそれは褒め言葉なのか?
困惑して考えていると親友はブラックホールの話をし始めた。

「ブラックホールって太陽より大きい星が寿命尽きてできるんだよ。光もブラックホールに吸い込まれたら、出れないのにそれが宇宙にたくさんあるんだって」
 それは絶対褒め言葉じゃないなと考えていると
「でも光閉じ込めれるって何か凄くない?」
「そうかな?フツウに怖いとおもうけど」と私が伝えると親友は「でもホワイトホールがあるかもしれないし、吸い込まれた先は誰もわからないよ、もしかしたら光も違う場所に出てるかも」と言い出す。

 私は宇宙もブラックホールも天体もそんなに興味を持ってないが、宇宙の話をする時の親友の目はいつもキラキラしていて澄んだ子どものような瞳をして何だか微笑ましく感じてしまう。

「ブラックホールって怖いし、似てるって言われてもやっぱり嬉しくないよ~」と私は言った。
「でも僕は君が好きでこの感情から抜け出せないから、やっぱり君はブラックホールだよ」


 私は親友の発言を聞いて固まってしまっていると、親友はいつものような澄んだ瞳のじゃなく、はにかんだ表情で私を見てた。
 
 

7/30/2023, 12:30:16 PM