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年明け1通のハガキが届いた。
年賀状もLINEで済まし、一人暮らしの我が郵便受けに入るのは、専ら水光熱費のお知らせやDMだ。
見慣れない形状に驚きつつ、おもむろにそれを取り出す。
ハガキだと思ったそれは、正確には圧着葉書だった。
宛先が我が家であることを確認。
差出人は-
「日本学生支援機構」。
訝しみながら開封し2つの数字を確認する。
貸与額と同額の返還額。
無造作に郵便受けに放り込まれていたのは、奨学金返還完了証だったのだ。
思い出すのは、大教室で受け取った分厚いA4の返還開始に関する案内文書。
それとは比ぶべくもない小さなハガキを、それはそれは大事に握りしめた。

毎月27日に記帳されていた重たい数字はもう出てこない。

「0からの」はじまり。

そうだ、お祝いがまだだった。
誇らしさと共に、お気に入りのあのお店にハンバーグ食べに行こうか。
一緒にワインも頼んじゃおう。

2/21/2024, 8:47:22 PM