初めて見かけたときからすこし不安定なところがあってヒヤヒヤすることも少なくなかったけど、それでも光と希望で満ち溢れていた。
あなたのつくりだす独創的な世界が大好きで、それと同時におなじクリエイターとして尊敬していた。今でも、ふとした瞬間に誕生日プレゼントと称して送られたイラストを見返しては元気を貰う。
だけど、……ああ、あなたは私を置いていった。
ある夏から弱音を吐くことが増えて、八月の中旬、帰らぬ人となってしまった。
知らせを受けた時、私は泣けなかった。やるせない気持ちでいっぱいで、おめでとうと言うべきか、どうしてと言うべきかわからなくて。
ただ、津波のように寂しさと哀しみが押し寄せたことだけをハッキリと覚えている。
あの感情ですら、今では風化してしまって、あなたとのやり取りも思い出せない。見返そうにもあなたのお姉さんが、あなたの願い通りにアカウントを消してしまったからそれも出来ない。
だんだんと私の中であなたが風化していく。
その事実が、私はつらい。
私はあなたの顔も名前も知らない。端から見ればきっと赤の他人も同然だけど。
今、どうしようもなくあなたに会いたい。
▶君に会いたくて #55
1/20/2024, 5:38:40 AM