高嶋のぎ

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記録



震えた字、かすれた字、丁寧に書かれた字、走り書き。
感情を込めたメモの記録たちを読む日課。

俺は記憶が1日しか持たない。

膨大なメモの最初はその事実から始まり、その日やるべきことを書かれたメモで終わる。

感動したことを書く日記もある、俺にとって記録とは生きている証だ。

だが、こうも思う。

忘れてしまうことと、忘れられてしまうこと、

どちらが辛いのだろうかと。

メモによれば、あと少しで「彼女」が来るらしい。

どんな人なのか、不安と期待の入り混じる気持ちで俺は茶菓子を用意しながら訪れを待つことにした。

2/26/2025, 11:23:47 AM