『光の闇の狭間で』
本当はいけないことだって、わかっているの。
もう、良い子はベッドで夢を見てる時間だもの。
でも、わたし、見ちゃったの。
母さんが「小学生は寝る時間よ」って言いながら、わたしを寝室に追いやった後のことよ。
わたしは、真っ暗闇の寝室を背に、まぶしい光が漏れ出ている戸の狭間をそおっと覗いたの。
目に飛び込んできたのは、明るいリビング。
そのテーブルの上にあるのはーー。
間違いない。夕飯前に冷蔵庫で見つけた、アレだわ! 2つしか無かったから、おかしいと思ってたの!
「ズルい!」
思わず叫んだわたしの声に、リビングにいた父さんと母さんがビクッと飛び上がった。
「わたしも食べたいよ! そのプリン!」
12/2/2023, 12:14:12 PM