「街の灯り」
あれは国際宇宙ステーションの画像だったのか、スペースシャトルだったのか、いや、それは今はあまり問題ではない。宇宙空間からの画像で、日本列島はちょうど夜だった。驚いた事に、日本列島の形がわかるほど、日本の街の灯りは明るかった。この国の国土が比較的小さい事と、他の国と接していない完全な島国である事、電気というインフラが国中に行き届いている結果、また周囲が海で暗い事も要因としてあるだろう。
初めて見た時は驚いた。いまから30年以上前の事だったかもしれない。あの頃は高度経済成長期の只中で、こんなにくっきりと宇宙空間に灯りを放っている国は他にはなかった。
それは、この国の平均的な文化水準の高さを表しているように感じる。例えば、他の大陸では、街の灯りのある地域は限定的で、人間が居住していない地域では当然ながら灯りはない。
街の灯りがある場所とそうでない場所では、そこで生活する人の暮らしを決定的に変える。そして、一度そうした生活を手に入れた人間は、それなしでは生きられなくなる。
2023年の初夏の日本は、豪雨に見舞われて、テレビでは連日、警戒を呼びかけている。こうした極端な気象は温暖化の影響もあるのだろう。災害による停電も増えている。
いま、大規模な発電所で大量に発電をし続ける事に何か危うさを感じる。2018年北海道で地震によるブラックアウトも経験した。個々人、または地域が発電し消費するミクロエネルギーへの転換も必要となるだろう。
もちろんマクロエネルギーを廃止した方が良いなどと思っている訳ではない。エネルギーにも多様性が必要なのだ。
7/8/2023, 12:34:05 PM