「一番近くて、一番遠い」
家が隣で年も一歳違い。
まるで兄妹みたいだと、お互いの家族も言っていた。
おままごと、かいじゅうごっこ、かくれんぼ、ひみつきち、たんけんごっこ、ゲーム……
制服を着るようになるまで、いっしょに遊ぶのが当たり前だった。
部活、試験、生徒会、文化祭の準備……
ランドセルを背負っているあたしには、わからなかったことが増えていって、顔を合わせることも少なくなってしまった。
同じ制服を着て、同じ学校に一年遅れて通って、初めて気がついたんだ。
兄妹なんかじゃ嫌だということに。
だけど、あなたにとってのあたしは今でも「家族じゃないけど家族同然」の妹分。
隣に住んでいなければ、良かったのかな。
中学で初めて出会う、ただの先輩後輩だったら違ったのかな。
だけど、ずっと一緒に遊んでいた思い出は、なくしたくない。
たぶんきっと、一番近くて、一番遠い。
────誰よりも、ずっと
4/9/2024, 2:58:46 PM