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『列車に乗って』

車窓からじりじりと僕の背中を焦がす。
まだ初夏だというのに、季節が極端すぎてそろそろやっていけそうにない。
人混み、混み、ごみ。
座席を確保できたのも束の間、早くも僕は人と日差しに潰されてしまいそうである。
周囲のゴミ共....じゃなくて人混み共は、一様に同じ顔で同じように背中を丸めて手元の画面に夢中のようだ。
そんな社会、あるいは同調圧力ともいえるこの状況について考えながら電車に揺られる。

「横浜、横浜〜」
電車において、座席を確保するのは案外簡単な話だ。
人の往来の激しい駅では自ずと座席も空くのだから、席の前に立っていればよいのである。
特に制服を着た学生は降りるのも早く、狙い目だ。
まぁ最も、同じ思考、あるいはそのような趣向から人気な位置取りでもあるのは否めないが。
ちなみに僕の趣向はロリではない。断じて違う。
綺麗めのお姉さんこそ至高なのだ。
少し、論点がズレてしまった。
この社会について話そう。
実は、この世界は僕が作った。一昨日。
それ以前と思われているやつは、まぁ適当に作った記憶とかである。びっくりした?
平行世界がどうのとか、鳥と卵どっちが先かとか、そういうことではない。
昨日徹夜で作った世界が、一昨日の世界に反映されて元から存在していたように見えているだけ。
記憶に騙されているだけ。
社会の同調圧力とかそんなもん、適当に僕がプログラムした副産物。
わざとじゃなかったんだごめんよ。
もし、もしね、君が何かを得たいなら、自分から動けばいい。そうすれば居場所が手に入る。
そういう風に僕が作ったからね。
自分の趣向や思考は、その近道になるかもしれない。
まぁただ、席が得られても人とか色んなものに挟まれて苦しくなるかもしれないけれど。

そろそろ僕は降りるね。
乗り過ごしにはお気をつけて。

2/29/2024, 3:07:44 PM