透きとほる水に手を浸す瞬く間にキンッとした冷たさが肌を刺す存在しないかのように見せかけその実、驚くほどの低温を隠し持つ好奇心に駆られ浸した手をそっと水からあげるとジンジンとした熱が手を覆った愚か者の手を攻撃したことなどもう忘れたかのように水は澄んでいる。──美しいものには棘がある手を擦りながらふと思い出す。水清ければ魚棲まず生物が存在しないからこそ美しいのだと。完璧すぎるものは孤高だ。
5/21/2023, 11:56:03 AM