▶67.「君と一緒に」
66.「冬晴れ」
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1.「永遠に」近い時を生きる人形✕✕✕
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それは人形たちの知らない物語
とある部屋の中。
豪奢な椅子に座る男が、
その前に跪いている男に向かって話し始めた。
「さて、____よ。私はねぇ、君と一緒にワルツを踊りたくなったんだよ。誘いを受けてくれるかね?」
「はい」
「従順なのは良い事だなぁ。イレフストとフランタにも参加してもらうつもりだ。ま、最後まで立っているのは私だがね。君は」
この仕事が最後だ。
言われた____は、体も心も固くして反応を見せないようにした。
「従順すぎるのもつまらんのぅ。まぁよい、出発は半月後。この国には戻らぬつもりで一切を処理せよ。支度の者が迎えに来る。そのまま待っておれ」
椅子に座っていた男は、やがて去っていった。
残された方は、迎えのものに腕を取られるまで跪いていた。
1/7/2025, 7:02:29 AM